発行日 1947年11月15日
Published Date 1947/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
胎兒は卵と精子との結合に始まり血温の羊水に圍繞せられ且つ天然の培養器とでも言ふべき母體内で發育を遂げ,終には一陣の疼痛と共に娩出せられるに至る。胎兒が母體を離れるに及んでは狹隘な産道の壓迫を受けること甚大で,一旦外界に出るや其瞬間に於て病芽を有する外界の空氣に晒され,多種多樣な新刺戟に觸接し其全生活要約に劇變を招來するものである。此際一見病的とも見るべき種々な現象が生理的に出現し得ることは想像に難くない。即ち新産兒黄疸,表皮落屑,乳房の腫脹,魔乳分泌等が是である。更に此等に屬すべきものゝ一つとして新産兒子宮出血を擧げることが出來る。
私等は最近本症の1例を經驗したので諸姉の參考の爲茲に報告する。
Copyright © 1947, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.