速報・豫報
新産兒の消化性白血球減少
塚田 不二彦
1
1東京大學醫學部産婦人科學教室
pp.201-204
発行日 1950年5月10日
Published Date 1950/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200347
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1920年Widalは,肝臟機能障害のある人又は動物では,食餌攝取後白血球減少,血壓及び血清屈折率の降下の起るのを認め,之をHaemo—klasische Kriseと呼んだ.氏に依ればこの現象は肝臟機能の正常なものでは起らず,却つて白血球増加,血壓及び血清屈折率の上昇が認められ,動物實驗の結果に依れば之は食餌中の蛋白質に特異な現象で,氏はこれを其の所謂Proteopexische Funktion der Leberに歸し,併せて,食餌攝取後の白血球數の變化を肝臟機能檢査に應用し得ると稱えた.
氏の提唱は共後諸家に依り追試されたが大勢は否定説に傾いた.特に新産兒,乳兒を對象とした領域では,Gregor,Maro,Japha,Auricchio,秋山,Linzenmeier,Schiff und Steansky等の研究があるが,氏等に依れば,新産兒,乳兒では,食餌攝取後の一過性白血球球減少は寧ろ生理的のもので,必ずしも肝臟機能の健否とは關係なく,且種々な食餌を與えて實驗した結果に鑑み蛋白質のみに特異な現象ではないとしてWidalの説を否定した.
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