病理解剖
新産兒の心臓奇形の1剖見例
林 强爾
1
1岩国病院
pp.680-681
発行日 1954年11月10日
Published Date 1954/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201123
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緒言
新産児の死亡原因中,奇型による死亡は大きな位置を占める。殊に最近著しき治療の進歩で一般に死因疾患が激減しつゝあるとき奇型が一層注目される所以でもある。新産児の畸形で外表に現われたものは多くの報告例があるも,内臓奇形に関する報告は比較的稀れである。三谷教授は内臓奇形の頻度は1.75%より稍々大きにのぼると述べていられる。私は最近生後27時間で死亡した新産児を解剖し,肺動脈口閉鎖,右心室の強度萎縮,左心室肥大,右心房拡張,右心房の左心室への開口,単一房室間孔等の所見を認めた高度の心臓畸形に遭遇したので茲に報告する。
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