発行日 1946年10月15日
Published Date 1946/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906118
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わがくにの醫學は明治以來長足の進歩を遂げ,歐米に比べて遜色のないことは世界各國の認めてゐる所であります。しかしそれを實際に應用して,疾痛の豫防と治療を行ふ點になりますと,まだ十分とは云はれません。では一體どこにその原因があるかを考究してみたい。
醫學の進歩に伴つて看護學の發達しなかつた點をまづ擧げることができませう。醫者と看護婦は,車の兩輪の關係立つてゐます。共に進歩發達しなくては,病人の治療にも,また一般國民の保健にも充分な效果を擧げることはできないのであります。醫者の共力者としてはわが國では,従来看護婦,産婆,保健婦何れも教育程度が世界の水準以下でありました。專門的學問も教養もはるかに低いのでありますから,これらの人達を向上させて,有能な女子の醫療關係者を多く世の中に送る事が現下の急務であります。
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