特集 痴呆のスケール—きめこまかなケアのための客観的評価尺度
包括的アセスメントにおける痴呆の評価と活用の仕方—MDS方式の場合
山内 慶太
1
,
池上 直己
2
1慶應義塾大学看護医療学部
2慶應義塾大学医学部・医療政策管理学
pp.1121-1126
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906065
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はじめに
高齢者ケアにおいて,そのニーズの把握とそれに対応したケアプランの決定のために,痴呆の有無とその程度を把握することは重要である.しかし,痴呆について優れた診断能力を有する専門家は限られており,日常のケアにおいて,簡便に使用できる評価項目と尺度が必要である.たしかに近年,痴呆の評価尺度がさまざまな出版物でわかりやすく紹介される機会は増えたが,そこで取り上げられている尺度の多くは,本来,専門知識を持った精神科医が補足的に使用するか,薬剤開発における効果判定に使用する目的で作られたものである.また,評価結果をどのようにケアプランの検討に結びつけるか,その指針も用意されていない.
そこで,高齢者ケアのための包括的なアセスメントとケアプラン作成のための指針であるMDS(Minimum Data Set)における痴呆のアセスメントについて概要を紹介したい.
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