連載 専門医に必要な画像診断技術 (第8回)
3 CT―迅速・詳細な評価
先天性心疾患
神崎 歩
1
S. Kanzaki
1
1国立循環器病研究センター放射線部[現木村小児科]
pp.619-625
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_619
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先天性心疾患は,その病態が構造異常に起因するものであるため,血行動態のみでなく三次元的な形態診断も必要であり,長くMRIが大きな役割を果たしてきた.CTの有用性が高く評価されるようになったのは近年のことであり,たとえば先天性心疾患において広く用いられるテキストである『Moss & Adams’ Heart Disease in Infants, Children, and Adolescents』1)では,2016年に発刊された第9版になりようやく総論にCTの項が設けられ,系統的に記述されるようになったところである.それに先んじて臨床では,すでにCTは不可欠の検査となり,その利用に際して施設ごとに試行錯誤されていることと思われる.本稿では,先天性心疾患に対するCTの撮影や診断に役立つ画像処理などを,当センターの経験を示しながら概説する.
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