特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
先天性心疾患
新井 達太
1
1東京女子医大外科
pp.582-588
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202919
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チアノーゼ性心疾患は種類も多く,複雑な奇形を伴つているので診断が困難な場合がしばしばあります.この中で,ファロー氏四徴症(三徴,五徴を含めて)は比較的容易に診断が下せるのですが,多くの症例にあたつてみて,ファロー氏四徴と診断を下して手術をした症例の中に,複雑な他の心奇形のある症例を数例経験して,この診断がなかなか容易でないことを痛感します.このような症例は,ふり返つて見ても臨床診断がなかなかむずかしく,手術はまた,非常に困難なことが多く,症例の多くは不幸な転帰をとつています.
そこで,診断の困難な症例で,手術治療も困難であつた症例をあげて検討してみましよう.
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