特集 —生ある限りいきいきと—腹臥位療法のすすめ
低ADL(高齢)患者に対する腹臥位療法のすすめ—QOL重視の全人間的アプローチ
第2章 腹臥位療法の8つのヴァリエーション
pp.1016-1023
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905962
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
導入上の一般的注意点
1998年3月以来,腹臥位療法の実践を繰り返すなかで,対象患者の身体的状態,バイタルサイン上の問題,設備・マンパワー問題などそれぞれ異なる点が浮き彫りにされていった.これらを解決していく過程を経て現在8つのヴァリエーションを思考するに至った.各々のヴァリエーションに関しては,イラスト入りで説明を加えているが,一般的な注意事項を述べておきたい.
〈腹臥位療法〉の導入にあたっては,目の前の患者の問題点を明確に把握し,第1章の〈効用・効果〉のなかで,どの問題が解決可能であるかをみきわめることが肝要である.〈寝たきり状態〉を作らないことが理想であるが,既に寝たきりになっている患者において,すべての効果が全例にみられるというミラクル療法ではない.〈寝かされっきり〉が原因の症例では著効が期待できるが,器質的病態の存在が明らかな症例では,8つの効用・効果(1007ページ表2を参照)すべてを期待するのではなく,このうち,何を改善点となしうるかを考慮して療法の導入に取り組んでいただきたい.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.