特集 ここまでできる外来看護
外来看護充実のための看護体制—HIV/AlDS看護における外来—病棟継続体制を実現して
有馬 美奈
1
1都立駒込病院看護部
pp.633-636
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905878
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専門外来はできたが看護はなかった
当院では1985年10月から,專門外来として感染症外来を開設,エイズ診療を開始した.当外来では,患者の秘密保持,感染防止,精神的援助,生活指導を基本として看護を行なっている.開設当初のマニュアルは感染防止対策が中心であり,生活指導は病棟の退院指導に準ずとされ,外米独自の看護内容は明記されていなかった.
その後,病棟では看護婦みずからの努力と意識改革により,感染防御から精神的援助へと重点が移っていった.一方,外来におけるエイズ看護を追求する研究・記録などは残されておらず,80年代後半から90年代初頭まで,当院のエイズ看護は病棟中心に展開されてきたといえる.エイズ=死というイメージが強かった当時,エイズ治療は入院中心であり,外来看護が確立されなかったことはやむを得ぬことであろう.また,一般外来の看護体制も十分とはいい難く,感染症外来も体制不備の例にもれなかったといえる.
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