特集 ここまでできる外来看護
社会復帰と再発予防をめざして—心臓リハビリテーション外来における看護
細川 亜希子
1
,
山口 悦子
2
1榊原記念病院看護部リハビリ室
2榊原記念病院看護部リハビリ室看護部
pp.629-632
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905877
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心筋梗塞患者のリハビリテーション
働き盛りのある男性が,ある日突然心筋梗塞で倒れ,病院に収容されたとします.このとき彼は,「自分は死ぬのだろうか」「自分が死んだら家族はどうなるのだろうか」「助かったとしても再び働けるだろうか」「会社は引き続き雇用してくれるだろうか」「自分の社会的名誉や地位は取り戻せるだろうか」「好きなゴルフは再び始められるだろうか」といった身近な生活上の問題に多くの不安を抱きます.すなわち,心筋梗塞を罹患した患者にとって,生死の次に重要なのは,社会復帰に向けたリハビリテーションの問題といえます.
リハビリテーションは,心臓病患者の運動療法や,心筋梗塞患者が退院するまでの段階的な運動負荷試験という理解が一般的ですが,WHO(世界保健機構)は,心臓リハビリテーションを「心臓病患者が可能な限り良好な身体的・精神的・社会的状態を確保するために必要な行動の総和であり,これは患者自身の努力によって達成されるものである」と定義しています.
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