特集 変わる糖尿病患者教育—効果的な心理的アプローチ
行動変化に役立つ心理学の基礎知識
金 外淑
1
,
キムウェスク
1パブリックヘルスリサーチセンターストレス科学研究所
pp.342-347
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905812
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はじめに
私たちは日常生活のなかで直接的な経験をとおしてさまざまな行動を身につけている.たとえば,ダイエットを行なっている時,「スマートになりましたね」「頑張ってますね」と家族や同僚からタイミングよく声をかけられると,「よし,このまま頑張ろう!」と減量のための行動を維持することはよくある.しかし,努力したのに期待するような結果が得られないと,「やはりだめだ.私には無理だ」とあきらめるか,しばらくはやる気を失い,落ち込んでしまったりする.つまり,次の段階を引き起こす手がかりとなるなんらかのフィードバックが,行動を変えるきっかけになっているのである.
それでは,行動の変化が起きたり,あるいは変化が起こならないことの背景にはどのような要素が考えられるであろうか.そこには認知といわれる個人の考え方や受けとめ方の特性がある.
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