グラビア このひと'99
土橋律子さん—患者会・支えあう会「α」代表,訪問看護婦—生老病死は“自分ごと”がん体験から生命をみつめる
つちはし のりこ
1
,
八木 保
1支えあう会「a」
pp.217
発行日 1999年3月1日
Published Date 1999/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905787
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どこか少女を思わせる可憐さ.いつもにこにこと,初対面の人にも“出会えたこと”への感謝を忘れない.「がん体験」という重い事実から思い浮かべるイメージと正反対の明るさと軽やかさが印象的だ.
看護婦になって14年目,大学病院の病棟で仕事に燃えていたさなかに,子宮がんの摘出術を受けた.すぐに職場復帰を果たしたものの,1年後に卵巣がんが,その翌年には大腸がんが見つかった.たび重なる身体の苦痛,死の恐怖,未婚のまま子どもを生めなくなったことのショック,仕事への未練,望むとおりのケアが受けられない苛立ち….自分という存在が否定されたような疎外感を味わうなかで,生きる希望を与えてくれたのは,同病の患者たちだったという.
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