特集 食と栄養の可能性を探る
気管支喘息重積発作による呼吸筋疲労の負担を軽減する食のアプローチ
宮下 多美子
1
,
諏訪 智子
2
,
藤井 葉子
3
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院救命救急センター
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院救命救急センターICU
3聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院救命救急センターHCU
pp.20-26
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905745
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はじめに
気管支喘息重積発作は,患者が「もう少しでよくなるかもしれない」とか「これくらいで病院に行ったら……」などと我慢をしているうちに,いきなり呼吸困難におちいる.危険な状態を患者自身が見きわめることはきわめて難しく,時には低酸素血症による遷延性意識障害または死にいたる病態であることを,看護婦は知っておく必要がある.低酸素血症に至るプロセスは「我慢する」ことにより,呼吸困難の持続が直接低酸素状態となる場合と,長く苦しい呼吸困難の末に呼吸筋疲労により,いきなり呼吸停止や心停止をきたすことがある.
この「息ができない」苦しい病態に,かつての「タッピング」と称する行為では到底患者を救うことができないことを理解してほしいと願っている.「死の恐怖」から救う手だては,妥当な酸素化のケアである.
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