特別記事
来日したベナー氏からの学び—12年目の私の課題にどうこたえてくれたか
山下 満子
1
1東京大学医学部附属病院救急部
pp.1156-1160
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905729
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参加の動機—私なりの課題をもって
今年4月,自分に新たな課題を与えるべく,入職以来11年間慣れ親しんだ整形外科病棟から救急部(ICU)へ,希望ローテーションをした.“キャリアアップ”—職業人として皆が望むことであるが,看護という仕事は誰がみても明らかな階段があるわけではなく,自分でも登るべき階段を見失ってしまうこともある.看護婦として自分は何を目指すのか,いるべき場所はどこにあるのか,私はそのこたえを求めていた.
ベナー看護論にふれたのは6年前,臨床6年目の時である.臨床経験を積んだ実践がもつ,他者に伝えにくい実践の勘や能力といったものを,経験年数からだけではなく評価し,看護論にまで高めたことに私は感激した.そして自分がどのレベルにあるのか,ベナー氏の著書にあげられた例題と日頃の看護実践を比較することもしばしばであった.
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