特集 変わる医療事故の概念とその対策—リスクマネジメントの視点から
私たちの「事故」に対する問題意識とそれに基づくシステム改善
井上 加野
1
1武蔵野赤十字病院病棟
pp.1132-1138
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905725
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はじめに
病棟管理をする上で,新人の多い4月は特に,事故が発生しないように細心の注意を払いながら病棟運営をしている.しかし,事故は起きる.婦長同志の話し合いになるといつも話題となり,グループを作り事故をテーマにした勉強会をはじめた.勉強会の中で,患者は常に最高のサービスを受ける権利を持っている,真の患者サービスとは何だろう,患者に必要なサービスが提供できているのだろうか,というようなことが話題となり,それを基本線として事故を防止することが大切であるなどの意見交換をした.
そして回を重ねるうちに,次第に事故に対するとらえ方が広がっていった.勉強会の経過は適宜婦長会で報告したが,婦長自身の考え方・とらえ方に変化があり,それは看護婦1人ひとりへとつながり,看護婦自身の事故に対する意識も変化してきている.また,病院のなかでも医師を中心とした委員会,QCサークルなどが発足し活動をしている.
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