特別記事
看護に生かす被害者学・被害者援助論
板垣 喜代子
1
1常磐大学大学院人間科学研究科修士課程被害者学専攻
pp.1052-1059
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905710
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はじめに
1995年1月阪神・淡路大震災,同年3月地下鉄サリン事件をはじめ,1997年3月からの神戸市児童連続殺傷事件,1998年7月和歌山県毒物混入カレー事件などの大きな自然災害や犯罪発生後の日本のマスメディアによる報道は,近ごろは事件の詳細や加害者の報道だけでなく,突然に被害を受けた人々の身体的,心理・精神的,社会的問題を長期間にわたり取り上げるようになってきました.
一方,家庭内暴力は,養育者から子どもへの虐待,子どもから親への暴力,夫から妻への暴力,介護者から障害者や老人への虐待などの繰り返される暴力の事実が,マンガ雑誌や手記,テレビ放送レポートなどの形をとってメディアを通じて一般の人々の目に触れるようになり,研究者の調査や警察や児童相談所の届け出を通して,その実態が徐々に明らかにされつつあります.
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