特別記事
看護職人気の裏にひそむもの—今,なぜ高校生は看護職を目指すのか
田口 正男
1
1神奈川県立弥栄東高等学校
pp.854-858
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
バブル経済も終焉に近づいた頃,マスコミ各社は医療機関での看護婦不足をとりあげ,ことさら看護職の仕事を3K,9Kという言葉で強調していた.“このままでは日本の看護は崩壊する”.関係者の間にはこんな言葉をもらす人もいたように記憶している.
ところが,あれからさして年月が経っていない今日,都心の中堅の病院などでは看護婦(士)は充足気味.しかも,女子高校生の希望職種の第1位におどり出て,1日看護体験には予想をはるかに上回る希望者が殺到している.人気はそこだけにとどまらず,看護学校受験者の中には,いったん短大や大学を卒業した人たちの姿もめずらしくない.世の中の変化がいくら激しいといっても,わずかな年月でこれほどの様変わりを見せた職種人気も少ないのではないだろうか.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.