特別記事
専門学校卒業者の大学編入学の道,開かれる
大室 律子
1
1文部省高等教育局医学教育課
pp.848-852
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905668
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
昨今,高等教育を取り巻く状況は,その大衆化,学術研究の高度化,国際化,情報化などが進む一方,社会・経済の変化,生涯学習ニーズの高まりなどに伴い,大きな変革のただなかにある.いわゆる少子化により18歳人口は減少しつつあるが,国民の高等教育に対する要望の高まりとともに,大学で学習を希望する人々の層やその年齢分布は,今後とも拡大していくことが予想される.
しかし,大学改革が進展し高等教育が多様化している一方,看護職等の育成において大きな役割をこれまで担ってきた専修学校専門課程(高等学校卒業者を対象とした専修学校で,専門学校と称することができる.以下,専門学校とする)の卒業者には,大学への編入学がこれまで認められていなかった.そのため日本看護協会および専門学校関係者から編入学法制化への強い要望がだされていたが,1997(平成9)年12月18日,文部省の大学審議会において,こうした社会的要請に応える答申が出された.そして,この答申内容をふまえ,政府提出の「学校教育法の一部を改正する法律」が1998年6月5日成立し,専門学校卒業者の大学への編入学が可能となったので,報告する.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.