特集 臨床シナリオで学ぶ急性期呼吸理学療法
第3章
臨床への導入を考えるナースへ
加藤 久美子
1
1Nellcor Puritan Bennett Japan株式会社クリニカルサポート課
pp.536-537
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905606
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“常識”というカラを破り,本質を考えてみよう
第1章で述べられたように,急性期医療の現場において呼吸理学療法の有効性が注目され,従来行なわれている呼吸ケアの妥当性が問われはじめている.
重症な患者が長期臥床により呼吸器合併症を併発しやすいことは多くの文献に示されている.このような状態の予防と改善を目的とした呼吸ケアとしてタッピングがあり,看護の教科書や雑誌の事例などから数多くの表現を見ることができる.そして,ほとんどの臨床で看護婦がタッピングを実践している.タッピングの手技は「末梢気道から中枢気道に向かって手のひらで背中を叩く」というやり方に共通性が認められる.その手技の看護婦への普及の高さに比べて,根拠と成果は明らかではない.それなのになぜタッピングという手技は,問われてこなかったのだろうか?
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