特集 臨床シナリオで学ぶ急性期呼吸理学療法
第1章
EBMとしての急性期呼吸理学療法—Evidence-Based Medicine;科学的根拠に基づく医療
宮川 哲夫
1
1昭和大学医療短期大学
pp.510-516
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905600
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はじめに
救急・集中治療における呼吸理学療法の目的は,肺の換気とガス交換を改善させ,気道内分泌物の除去や酸素化の改善を行なうことである.それにより肺合併症を予防・治療し,人工呼吸器からの離脱や早期離床を促進させ,ひいては医療費の軽減を期待することができる.
しかし,呼吸理学療法には,まだ科学的に解明されていない,経験的に受け継がれてきたものも多く認められる.ここでは経験的に伝えられてきた呼吸理学療法の誤りを正し,Evidence-Based Medicine(EBM;科学的な根拠に基づいた医療)の立場から急性呼吸不全に対する呼吸理学療法の効果について明らかにし,今まで我々が行なってきた呼吸理学療法の効果と科学性について述べる.
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