特集 院内感染の“なぜ”が知りたい
スタンダードプリコーションの背景にある考え方
源河 いくみ
1
1日本大学医学部第1内科学教室
pp.134-136
発行日 1998年2月1日
Published Date 1998/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905524
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
米国疾病防疫センター(Centers for Disease Control, CDC)は,感染症の基礎的,疫学的研究とともに,感染症の流行状況,予防や治療の指針,院内感染の予防措置のガイドラインなど,感染症に関する多くの情報を提供しているアメリカ合州国の政府機関です.その中の病院感染管理実践に関する諮問委員会(HIPAC:Hospital Infection Control Practices Advisory Committee)が今までの感染予防措置のガイドラインの利点,欠点を見直し,そしてより各施設で受け入れやすい新しいガイドラインを1996(平成8)年に発表しました.
新ガイドラインは2本の柱から成り立っており,その第1はすべての患者に適応される主に血液や体液を介した感染の予防措置であるスタンダードプリコーション(Standard Precaution)で,第2は,感染経路別(空気,飛沫,接触による感染)予防措置(Transmission-based Precautions)となっています.今回は,第1のスタンダードプリコーションについて,その誕生までの院内感染予防措置の移り変わりをたどりながらその背景にある考え方について述べてみたいと思います.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.