特別記事
【医療機関におけるセクシュアル・ハラスメント】看護110番の事例から問題を考える
井上 久
1
1日本医労連看護婦闘争委員会事務局
pp.41-44
発行日 1998年1月1日
Published Date 1998/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905505
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はじめに
私は日本医労連で「看護婦110番」などを担当しており,看護婦のみなさんからいろいろな相談を受けている.その関係で,「看護婦が受けるセクハラ(職員間)について記事を書け」とのご依頼なのだろうが,正直非常に難しい問題だと感じている.
そう感じるのは,実際には和解金を取って退職するというケースがほとんどであり,「職場がよくなった」と胸を張れる解決にはなかなかならないからである.残念なことだが,「病院に勤めるのが怖い」と,看護職を離れる人を何人も見てきたというのが実情である.個々の看護婦がこう対処すれば防げるというマニュアルが描きにくい問題であり,病院のかかえる前近代的な体質の改善なしには根絶がむずかしい問題なのだと感じているところである.
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