連載 はっ!おやっ?ウーム…From MSW・2
被爆母娘とともに
村上 須賀子
1
1広島市立安佐市民病院
pp.1073
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905470
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広島の街に原爆の傷跡を探すのは,難しい時代になりました.でも,病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)の窓口では,時折,原爆が遺した傷に出会うことがあります.
先日,久しぶりに顔をみせたお母さんは,「この娘をどこかの施設に入れたいんですよ」と切り出しました.娘さんは,近距離早期胎内被爆者,いわゆる原爆小頭症と呼ばれる被爆者です.妊娠初期(胎齢4週)に,爆心に近い場所(爆心1km)で被爆した母から生まれました.原爆放射能の影響による,さまざまな障害をもって生まれたのです(療育手帳B,視覚障害身体障害者手帳6級,聴覚障害軽度).
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