特集 人とのかかわりを職業とする意味
自分を知るためのいくつかの視点
他者理解・自己理解のためのカウンセリング
山崎 久美子
1
1東京医科歯科大学心理学
pp.330-336
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905315
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はじめに
患者であれ,看護者であれ,現状に行き詰まりを感じた時は,「自分がここで変わらなければならない」ことにぼんやり気づいていながらも,自分に素直になることができず,当面他者を悪者にして,問題の解決を先延ばしにしていることが多いのではないでしょうか.自分にとって何が本当の問題なのか,自分は何をしたらよいのかが見えてくるには,落ち着いて自分に向き合える場と安定した人間関係が必要なのです.ここでは,看護現場の風景を素描した後,今注目されているヘルスカウンセリング学会の方式によるカウンセリングの一端を紹介しながら,読者の皆さんと一緒に,他者理解と自己理解について考えてみることにいたします.
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