特別記事
各種褥瘡予防マットの除圧・体圧分散効果の研究(1)—マットの種類別比較検討
森山 美知子
1
,
田中 マキ子
1
,
岩本 晋
1
,
山村 尚美
2
,
栗田 富佐江
2
,
宮本 由美子
2
,
杉山 朋子
2
,
井上 孝子
2
,
伊藤 慶子
2
1山口県立大学看護学部
2済生会山口総合病院看護部
pp.242-251
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905297
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はじめに
褥瘡は,患者ケアの質評価の指標とされており1,2),複雑な要因がその形成には関与している1-4).褥瘡は,麻痺や意識障害などによって起こる同一体位による長時間の部分圧迫(活動性の低下),自力で体位変換が行なえない可動性の低下,栄養状態不良,失禁などによる皮膚の湿潤,ズレや摩擦によって起こるとされている1-4).
褥瘡は上記の危険因子を除去することによって予防・改善できるとされ,ブレーデンは,褥瘡発生のリスクを測定する「ブレーデン・スケール」を開発している.このスケールは米国においてはすでに標準化され,多くの病院やナーシングホームで使用されている4,5).このスケールは,わが国でも真田らによって全国的に紹介され6,7),徐々に臨床現場に浸透しつつあり,科学的根拠に基づいて看護婦によるリスクアセスメントが行なわれるようになってきた.しかし,残念なことに,われわれの調査12)では,アセスメントだけに終わり,リスク因子の除去をめざしたケアプランの策定にはいたっていない状況が明らかにされた.
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