連載 病棟の遊びをデザインする・5
病児の遊びを支援する病院内おもちゃライブラリー
多田 千尋
1
,
高齢者・障害者の遊びデザイン研究部会
1芸術教育研究所
pp.86-87
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905263
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治療行為へのフィードバック
東京都世田谷区にある国立小児病院には,「おもちゃライブラリー」が開設されている.病院内のおもちゃライブラリーは,日本ではめずらしいことだ.
このおもちゃライブラリーは,心身の発達が遅れた子どものために,治療行為の一環としている点が特徴的なところである.診察室での数十分の診療行為では判断できない,または気がつかない点をこのおもちゃライブラリーで補っていくという貴重な場でもある.同病院の神経科の二瓶健次医長は「診察室ではとうてい発見することができない,その子本来の姿を,ライブラリーでは垣間見ることができる.こうした生の情報を治療行為に還元していくことは大変重要なことになる」と,おもちゃライブラリーのフィードバック機能を高く評価している.
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