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音楽運動療法—現場レポート—病と向かい合うもう1つの世界
八木 保
,
本誌
pp.204-207
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905029
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ようやく日本でも音楽療法士を育成する機関が増えはじめている,今回は,日本屈指のサックス奏者野田燎先生(大阪芸術大学芸術計画学科助教授)が展開されている「音楽運動療法」を紹介する.療法の理論については,野田先生ご自身による特別記事(本文229〜233ページ)をぜひお読みいただきたいが,ごく簡明に言い表わすならば,「音楽とトランポリンを用いた生体活性化療法」となるのであろう.2年ほど前より本格的に進められている本療法は,まだ研究段階にあるという認識から,療法に賛同し,研究活動に参加を望む患者に対して,大学の研究費を投じて運営されている.
日々の療法実践は,毎週土曜日の午後,みどり学級(養護施設:兵庫県芦屋市)を借りて行なわれている.取材当日は,自閉症,パーキンソン病,水頭症,小頭症,脳性麻痺の合計5疾患8名の患者へ,1人につき約20分程度の時間をかけて療法が展開された.患者を迎えるメンバーは,野田先生のほか,みどり学級の教諭頼田すず子先生が患者の介助を手伝い,芸術計画学科教室副手の島袋直美氏がピアノを,同教室研究生西川恵理氏が患者の動き,加療風景を記録するためのビデオ撮影を担当するといった布陣.
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