特集 海外看護事情—日本人看護婦からの手紙
【イギリス】実務的な基盤の上で成長してゆく看護
宮内 はるみ
1
Harumi Miyauchi
1
1ロンドン大学病院婦人科病棟
1University Collage London Hospitals
pp.26-27
発行日 1996年1月1日
Published Date 1996/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904983
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ロンドン大学の医療関係施設は,ロンドンの中心地カムデン地区というロンドン市内観光の際には必ず訪れるトッテンナムコート通り,オックスフォード通り近くに位置し,大学病院本館,救急外来,プライベート病棟,産科病棟,精神科病棟,そして歯科救急外来の建物が一定の敷地内に散らばって建っている.これは,プライベート病棟以外は国民保健サービス(NHS)の大学病院で,ウエスト1地区に住んでいる人々を診療対象としている.しかし,観光客がたくさん訪れるショッピング街に近いこともあり,救急外来にはいろいろな国籍・人種が運ばれてきて24時間いつも混み合っている.産科は,英国内でも数少ないFetal Medicine,Nuclear Medicine,Special Neonatal Unitなど特殊な専門科を持っており,英国内外あらゆる地方からの紹介も受ける.また,大学病院という名のとおり,たくさんの医学生・看護学生をはじめとする学生たちが実習しており,スタッフの院内教育・学生指導にとても力を入れている.
私自身,3年制学士コース在学中ここが実習病院であったため,卒業時にすんなりと就職先が決まったということが,この病院に務めることになった大きな理由である.現在,婦人科病棟に勤務して3年になる.日本で正看資格を持っている人なら,3〜6か月の研修を受けたのち,試験に合格すれば英国の看護婦登録が可能である.
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