外国の看護
イギリスの看護
岸井 キミコ
1
1日本赤十字社
pp.369-373
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201660
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英国と云えば,クリミヤ戦争を契機として看護の重点が宗教的理想から,これに加えて科学的理想へと移され,看護教育並びに看護業務の面に一大改革をなした近代看護確立の母,フローレンス・ナイチンゲール女史の国として有名であると共に,医療国営の国でありますことは周知のところであります。(私も留学中,主治医の登録をすすめられ又病気になれば入院加療が受けられる(無料)と聞かされ,1銭の税金も納めない私は吃驚仰天しました。もつとも,このお世話にはなりませんでしたが)。
病院に於ける看護業務は,その国の病院発達の歴史によつて,大きく左右されることはいずこも同じことで,この国では病院患者の収容が主体となつて発達して来たと承知しております。その結果病院に於ける看護は,患者の身の廻りの世話を本務として発達し,現代に到つていると云えましよう。従つて,これが医師の助手として発達して来た我が国の病院に於ける看護のあり方と現在までのところ非常に,ひらきがある感じは,否めません。
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