エージング・レポート イギリスの老年医療見てある記・1
イギリスへの出発
青木 信雄
pp.106-108
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919458
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出発大阪→グラスゴー19時間
1979年2月26日夕方,私はあわただしく大阪空港を発ち,アンカレッジで朝を迎え,北極圏の氷山・氷海を眼下に見やりながら夜に入り,3回食事をとる以外はほとんど寝て過ごし,翌27日の早朝,ロンドン・ヒースロー空港に着きました.いかにも地球をひとまたぎしたという感じでしたが,ここからさらに飛行機を乗り換えて目的地のグラスゴーに到着したのは27日の午前9時,出発してから約19時間後でした.タクシーで,以前週刊誌のグラビアで見たことのある中央駅構内のホテルへ.しかし,そこは満貝で断られ,手近なホテルを教えてもらい,やっと落ち着く先が決まりました.
どんよりとした小雨模様の日でしたが,寒さは緊張していたせいかあまり感じませんでした.重たいスーツケースを引きずりながら初めてみる異国の街を少しばかり歩きました.街路の両側には100年以上を経たと思われる真っ黒く煤けたビルが建ち並び,舗道はぐちゃぐちゃとぬかるみ,街角には灰色やピンク色の大きなポリ袋が置かれているのが目につきましたが,これは後から聞くとゴミ回収業組合のストのためでした.
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