特集 病院における情報開示
諸外国における病院の情報開示
イギリスでの状況
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学教室
pp.1017-1019
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902254
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いまイギリスでは大規模な医療制度改革が進行中で,この数年間で医療の提供システムが大きく変化している.したがって,まずはこの国の医療制度などを簡単に説明する.
日本でもよく知られているが,イギリスの医療サービスはNHS (thenational health service)と呼ばれる税金を財源とした国営で行われている.そして1次と2次の医療は明確に区別され,患者のかかりつけ医である一般開業医(GP:general prac-titioner)が行う医療は1次医療,そのGPの紹介で病院などで提供される医療が2次医療と定義される.1次医療は,登録住民の数に応じて国とGPが請負契約を結び提供されるが,病院での2次医療は国からの予算に基づいて行われ,それぞれの病院が担当する地域をカバーする仕組みとなっている.住民は,救急(acci-dent&emergency)以外ではGPの紹介なしで病院に行くことはできず,どの病院を受診するのかも通常はかかりつけ医であるGPが決めている.
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