連載 老人看護展望—欧米研修より・11
問題の多いペインコントロール
阿部 俊子
1
Toshiko Abe
1
1イリノイ大学シカゴ校看護博士課程
pp.1094-1097
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904944
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
痛みの定義はさまざまあるが,「痛みを感じている人が痛いと言ったら,それは痛いのである」(McCaffery, 1968)というのが一番適切な痛みの定義なのだろう.この患者の痛みに対して,医療専門職は無神経な場合も多い.
老人にとっての痛みというのは慢性的なものであることが多いが,老人の痛みに対して,「歳をとったのだからしかたないでしょう」などと無神経なことを言う医師や看護婦もいる.また,患者の痛みの訴えに,「そんなに痛いはずはありません」と言っている医療者の言葉も聞いたことがある.痛みを体験しているのは患者であって,医療者ではない.今回は痛みについてまとめてみたい.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.