特別記事
かわりつつある看護学生の就職先—アンケート調査からみた中小規模病院の実態—神奈川県の場合
倉田 トシ子
1
,
田嶋 美代子
2
,
上山 悦代
3
,
浜野 市子
4
1神奈川県立衛生短期大学
2川崎市立看護専門学校
3厚木看護専門学校
4小田原高等看護専門学校
pp.961-967
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904914
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2極化してきた学生の就職状況
ここ2年ほど,看護婦の就職前線に異変がおきていると,基礎教育に携わる者としては如実に考えさせられている.看護学生の就職事情についての一端は,本誌3月号の特別記事「看護学生だって就職難!?」に紹介したが,かつて学生が就職した病院は,大半がベッド数500床以上の自治体系などの,いわゆる公的な病院であった.ところが,それらの病院も本年は就職がむずかしくなり,希望した学生はもっと多かったにもかかわらず,採用に至らなかったという状況が生じた.
本年の病院就職状況の特徴は,学生たちが就職を希望する人気病院では,現職看護婦からの応募も多数あり,募集人員を大幅に超える応募があった病院がある一方,看護婦過剰をよそに欠員のまま年度をスタートせざるをえなかった病院があったという2極化現象があげられる.いわゆる中小規模病院が,看護婦確保に奔走した一因には,基準看護の類の変更や,新看護体系の導人といった事情が重なったこともあげられるだろうが,そうした病院は従来から恒常的に求人難が続いているのも,まぎれもない事実である.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.