特集 中小病院や施設に実習を求めて
中小規模病院が実習を受け入れること―その決断と成果
高岡 哲子
1
1北海道文教大学人間科学部看護学科
pp.177-183
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101697
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中小規模病院での実習を希望した動機
私は,以前,別の地方にある大学の看護学科に所属し,老年看護学を担当していた。この際,実習施設の獲得に大変苦労した経験がある。地方では病院自体が少ない。さらに,大規模病院は,複数の教育機関から多くの実習生を受け入れている。このため,大学として希望する時期や希望する病棟で実習が行えないことや,学生の受け入れ人数が制限されることが予測され,新たな実習施設を開拓しなければならないと考えた。そこで着目したのが,地域にある中小規模病院であった。
中小規模病院は,元来,実習を受け入れるように環境を整えていないことは容易に想像ができた。しかし,いろいろ調べてみるとまったく実習を受け入れていないわけではなく,介護福祉士やヘルパーなどの実習を受け入れた経験を持っていた。そこで,援助職に関連した実習を受け入れる環境にあるのであれば,老年看護学実習の受け入れも可能であると考えたのである。
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