研究と報告
病院貸与の奨学金を考えよう
倉田 トシ子
1,2
,
田嶋 美代子
1,3
,
浜野 市子
1,4
,
上山 悦代
1,5
1神奈川県看護教育大学校看護教育学科同窓会奨学金研究会
2川崎市看護専門学校設立準備室
3川崎市立看護専門学校
4小田原看護専門学校3年課程設立準備室
5厚木看護専門学校
pp.820-824
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900460
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奨学金は何
筆者らの雑談中,一人が「卒業生が就職を拒否するのはあなたの教育の仕方が悪い」と,母体病院から叱られたとぼやき始めた.つられるようにそこに居合わせた専門学校で教育に携わる者達が,「病院が貸し出している奨学金はいつまで続くのだろう」「病院の看護婦確保は奨学金貸与しか道はないのだろうか」といった意見で諤々となった.
昨年来,神奈川・高知・北海道と,病院から貸与された奨学金の返還に関して新聞報道されている.特に今年2月3日の北海道室蘭市の事例では,朝日新聞は「看護婦に『お礼奉公』強要」と見出しをつけている.報道は准看護婦教育だけであるが,看護教育全般にいわゆる“お礼奉公”の風潮は有形無形で残存している.
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