特集 日本的看護提供方式を探る
病院独自の看護方式の模索—KNS(駒込病院ナーシングシステム)を導入して
藤本 幸三
1
1東京都立駒込病院看護部研修教育担当
pp.447-450
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904802
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はじめに
都立病産院は,民間医療機関では対応の困難な行政的医療,ならびに高度医療,専門医療を提供している.駒込病院はこのような都立病院の中にあって,特にがん,感染症を中心とする疾患に対して,高度な医療を行なっている病院である.
当院では,看護方式は従来チームナーシング方式を取ってきた.しかし,社会情勢の変化や疾病構造の変化に伴い,患者のQOLの向上が重視され,より個別的な看護の提供が求められるようになってきているのが一般的な現状でもある.当院では,がん疾患患者が多数を占め,ターミナル期を迎える患者も多く,インフォームドコンセントの問題や,死生観等をも含めた質の高いケアが,必要とされている.これらの看護を担おうとする時,チームナーシングではケアの継続性や,責任の所在などに限界があると感じるようになった.
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