特集 日本的看護提供方式を探る
いかにしてプライマリナーシングを受け入れていったのか—北里大学病院における看護方式の変遷
野地 金子
1
1北里大学病院
pp.451-456
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904803
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プライマリナーシング導入の経緯
当院は,1971年7月に開院以来,数回にわたる修正変更を加えながら,当院独自のチームナーシング体制で看護を展開してきた.チームリーダーを中心に,「患者のニーズ,問題について個別性を考慮したよい看護ケアを保証する」ことを目標にしてきた.
しかし,開院10年を経過した頃から,「チームリーダーが育っていない」という危機意識が看護部全体に広まり,チームナーシングの見直しをした.チームナーシングがうまく機能すれば,チーム精神が育ち,良いチームワークのもとに患者中心の看護が効率良く提供できるはずであるが,実際チームリーダーは,医師の指示受けや業務調整に追われ,本来の役割・機能を発揮するまでには至らなかった.たとえ患者に個別的な計画を立案しても,患者のニーズが満たされたかどうかの評価まではできなかったのである.
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