連載 看護治療学序説・5
看護治療の経済的価値と名称リスト
早川 和生
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.560-561
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904569
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急がれる名称化とその経済的メリット
アメリカにおいて,看護治療の名称化が急ピッチで押し進められている大きな理由は,①看護学の発達にとっての学問的意義,②患者側からみた臨床ケアの向上,③ナースの経済的利点,の3点があげられる.3番目の理由は,実にプラグマティズムの国アメリカのナースらしい視点である.看護ケアが金銭的にも十分に評価される制度にしようとの意図である.この点を明確に記述したものが,ANA(アメリカ看護婦協会)の看護実践分類システム手引書(Classification Systems for Describing Nursing Practice)である.その中にはこう書かれている.
「看護は,すべての臨床情報がコンピュータに入力され,それに基づいて治療方法から医療政策までが決定される現代において,効果的にその機能と価値を評価されるためには,個々の看護行為の名称化を進めなければならない.ナースは自分たちが実施する個々のケア行為に名前をつけ,各々の名前についてそれぞれコンピュータ番号をつけなければ,医療保険の点数制度下では経済看護治療学が認められず,独立した専門職として的に認められることもない」
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