Japanese
English
歴史探訪
学会の名称を巡って
An Etymological Consideration on the Nomenclatures of Academic Meetings and Academic Societies
朝倉 哲彦
1
Tetshuhiko ASAKURA
1
1鹿児島大学
1Department of Neurosurgery, Facuity of Medicine, Kagoshima University
pp.953-957
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901798
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
学問の発達・分化について伴って新しい学会が次々に生まれている.新しいものだけでなく,在来の懇話会,懇談会レベルのものが発展し,また研究会が学会へと改名されるものまで含めると膨大な数に上り,まさに百花繚乱の感である.筆者らは現役勤務中に多くの学会に所属して,勉強をさせてもらったが,これも医師になったばかりの頃から,退官の頃までを通覧すると無慮100を超すのではなかろうか.もちろん初めに入っていた学会を退会し,新しい学会へ入会するという新陳代謝を繰り返したから良いようなものの,それでも常時30くらいの会員であった.定年退官してから,多くの学会に退会届けを出して減らしているがそれでもまだ10指に余る学会の会員である.ところで現在の臨床医学の学会は①治療対象である疾患の学会,②診断の手技・方法の学会,③治療の手技・方法の学会,④診療科ひいては大学講座を連ねる学会,⑤臨床を巡る,倫理,疫学,病理などの学会に大別できよう.しかし,そこにルールや規則があるわけではないからてんで勝手に名称をつけているわけだ.それはそれで結構だが,かなり混乱を来しているのも事実だ.さらにその名称を巡って一部に対立的な見解が起こったりしている.ここで,学会の名称を巡って,少し考察を加え,将来の学会の発展・設置にいささかでも役立てたいというのが,この小文の目的だ.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.