連載 看護ボヘミアン—出会いと発見のつれづれ・1【新連載】
人生劇場
林 千冬
1
1東京大学大学院医学系研究科
pp.950-951
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904381
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大学は出たけれど
看護職の世界とは今のところ無縁の話だが,世間では不況の影響で,新卒の女性たちが就職難にあえいでいる.「男女雇用機会均等法」はどこへやら,「4年制大学です」「下宿生です」の一言で,即座に「採用予定はありません」と冷たい返事.肩を並べて講義を受けてきた男子学生は,多少ボンクラでも何とか内定の1つや2つは取っているというのに…….「女性差別」の現実に,初めてさらされる時期である.
私が関西の大学の4年生だったのは,今からもう12年も前のこと.当時は,「均等法」さえまだなくて,つぶしのきかない文学部の女子学生には,せいぜい「事務職」という名の「お茶くみ仕事」しか仕事がなかった.
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