Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「本気のしるし 劇場版」—パーソナリティ障害のメタファーとしても光を放つ
二通 諭
1
1札幌学院大学
pp.319
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202186
- 有料閲覧
- 文献概要
「本気のしるし 劇場版」(監督/深田晃司)は,3時間52分の長尺にもかかわらず,体感時間が短い.途中休憩(12分)も後半への期待を高める意味ある余白として機能.
筆者は,ヒロイン・葉山浮世(土村芳)を,ある種のパーソナリティ障害のメタファーとして捉えたのだが,それは本作の核心からずれた皮相的な見方.浮世の不安定な振る舞いは,男性優位社会を生き抜く方略であり,翻って,本作には性差別社会糾弾の刃が隠されている.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.