研究と報告
MRSA感染患者の看護—感染防止と隔離による精神症状の改善をめざして
岸本 敦子
1
,
坂田 みどり
1
,
藤原 由香
1
,
岩本 久美子
1
,
玉田 ふじ子
1
1西脇市立西脇病院北2階病棟
pp.839-843
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904354
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はじめに
近年,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下,MRSAと略す)による感染症が,医療上の問題となっている1〜6).当院もその例外ではなく,病棟での対策として,MRSA感染患者に対して院内マニュアルにより隔離を行なってきた.しかし,隔離されることにより,不穏,不眠,せん妄や異常行動などの症状が出現したり,意欲や反応性の低下が認められるなどの精神面での弊害が起きている.そこで,院内感染の防止と,肉体的・精神的負担の軽減を目的として,病室,病棟の環境調査や,介護者の付着菌調査を行なった.その結果から感染経路を再認識し,より良い隔離方法を見い出すことができたので,調査結果と症例を紹介し,文献的考察を加え,報告する.
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