連載 カラーグラフ
生体のメカニズム・20
[呼吸の生理・3]
「呼吸の変化」がバイタルサインの指標となるわけ
大橋 俊夫
1
TOSHIO OHHASHI
1
1信州大学・第一生理学
pp.676-679
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904322
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皆さんは毎日の看護の中で,呼べど叩けど全く応えてくれない,意識を失ってしまった患者さんにたびたび出会っていることと思います.たとえば,死を目前にした癌末期の患者さんがこのように意識を失ってしまったような場合,あなたは患者さんの体のどのような変化に注意を払って看護をしていますか.家族の方から「あとどのくらいの生命でしょうか」と尋ねられたらどうしますか.
そのような時はきっと,患者さんの脈拍数,血圧,体温,瞳孔の大きさなどいわゆるバイタルサインの変化には特に気をつかっていますね.しかし何といっても「死」への時間を予測するのには,チェーンストークス呼吸とか鼻翼呼吸と呼ばれる呼吸の様子の変化が一番役に立つことはよくご存じのことでしょう.
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