研究と報告
新卒看護職養成体制の現状分析(2)—国の地域別養成体制の問題点
守屋 研二
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.145-150
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904200
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
日本の新卒看護職の養成体制の量的な面での主力が,設置主体別では国と地方自治体,学校種別では3年課程の看護婦養成所(以下,「高看校」と略称),学生定員規模では30〜50名の養成機関であることは,前稿(本誌1992年12月号)で見たとおりである.この稿は,学生定員(1学年養成定員)の側面から,47都道府県における国や地方自治体の養成体制の問題点を明らかにすることを目的としている.なお,この稿では,教員数と学校数を分析視点に含めなかったのは,それらの視点が設置主体間や学校種別間の比較分析には有効であるが,地域比較分析においてはあまり意味をなさないためである.
主たる関心の焦点は,養成力の強化が社会的に期待される国および地方自治体による養成体制の地域比較にあり,分析対象とした学校種別は,看護職を養成する3年制短大および高看校である.そうした限定を加えたのは,全国各地から受験生が集まる大学や大都市圏にある一部の3年制短大や高看校を除けば,全国各地に所在する多くの3年制短大と高看校では,学校所在地域,つまり「地元」出身の入学者の割合が高く,卒業生も「地元」の医療機関に就職するケースが多いと考えられるからである.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.