特別記事
新卒看護師の「与薬の技術」習得状況からみた新卒看護師教育体制に関する提言
福井 トシ子
1,2
,
上野 陽子
1,3
1私立医科大学協会病院部会看護部長会議調査研究班
2杏林大学医学部付属病院看護部
3東海大学医学部付属病院看護部
pp.344-349
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101459
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
臨床では,マンパワーの確保や教育体制の質的な問題から,研修制度を取り入れている施設はごくわずかである。また,新卒看護師の教育に関する報告は,厚生労働省等の調査や,各医療施設・教育機関からの報告など多数みられ,新卒看護師の教育方法・内容の実態や,新卒看護師の実践能力(技術の習得状況)の経時的な変化,看護基礎教育での教育のあり方などが述べられてきた。しかし,施設の教育方法・内容,新卒看護師の背景,実践能力の経時的な変化をあわせて検討したものは見当たらない。
どのような教育体制でどのような教育方法をとれば,厚生労働省の提示した指針,研修制度を実践できるのか,具体的な方法はまだ明らかにされてはいない。
そこで,教育体制,教育方法・内容,新卒看護師の背景,技術習得の経時的な変化を明らかにし1),本誌4月号に新卒看護師の技術習得状況を縦断的に把握することを目的にした,日本私立医科大学協会病院部会看護部長会議による実態調査を報告した。
ここでは,新卒看護師の技術習得のうち「与薬の技術」に焦点を当て,新卒看護師教育体制に関する考察と提言を行なう。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.