レポート
歴史背景から見る看護学生組織の意義と課題
鮫島 輝美
1
1兵庫県立看護大学
pp.487-493
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903972
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ここ数十年の間に,医療の高度化,急速な高齢化など社会構造が大きく変化し,看護界を取り巻く内外の環境も変化している.特に大きなものとして,看護職不足が社会問題となり,平成4年6月の「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」をきっかけとして,全国各地に4年生の看護系大学が急速に増加した1).看護教育をめぐる環境が大きく変化している中,南は大学における看護教育を「大学教育は看護学の開智の場として,単に知識を伝授するのではなく,物事の本質を見抜き,知識を活用して判断する能力,新たな知識を開発する能力を学生が身につけること」「真の意味の知慧を学生が自ら育てる,人間形成の場」と位置づけている2).
このような人間形成を求められる学生の多くは卒業後,社会に出て看護師,保健師,または助産師となって,チーム=組織の一員となって働く.だとすれば,看護学生にとって,「組織」について学ぶということは,今後の看護教育においても重要なことと言えるのではないだろうか.
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