フロントライン 2002 がん看護
悪性リンパ腫に対するモノクローナル抗体療法薬「リツキシマブ」の特性と看護上の留意点
菅野 かおり
1
1川崎医科大学附属病院
pp.452-458
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903967
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在,悪性腫瘍の治療において,それぞれの癌細胞の表面に発現している特定の抗原をターゲットに癌細胞の殺傷をはかる分子標的療法および新薬の開発が急速に進んでいる.従来の抗がん剤はすべての細胞に対して殺細胞効果を持つため,骨髄毒性,脱毛,消化器毒性などといったさまざまな薬物有害反応を起こしていたが,分子標的療法では標的となる抗原を持った細胞にのみ作用するため有害反応が少ないという特徴がある.
リツキシマブ(リツキサン®)はヒトBリンパ球の細胞膜表面に発現する分化抗原であるCD20抗原を標的としたB細胞性リンパ腫に対するモノクローナル抗体療法薬である.本邦では2001年9月に発売以来すでに約3000例以上に使用されている.本稿では,リツキシマブの投与を受ける患者への安全かつ有効な看護に必要と思われる薬剤情報を提示するとともに,看護上の留意点と実際の看護について述べることとする.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.