いい本見つけた!
—松原藍箸—『ゲームとしての社会戦略—計量社会科学で何がわかるか』
中川 幸子
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.272-273
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903925
- 有料閲覧
- 文献概要
看護という名のゲーム
基礎実習にさえ行ってない看護学生たちに,冗談のようなクイズとして「看護の仕事って,肉体労働,頭脳労働,感情労働,どーれだ?」などと授業中に投げかけてみる.時間制限のあるベッドメーキングやら汗だくの清拭洗髪などの演習を繰り返している時期なのに,「感情労働」に多くの学生の手が挙がるのを見て私の方が驚いてしまう.「患者さんに気をつかわなくちゃいけないと思うから」と彼らは予測する.臨床現場を経験する前に,すでに感情労働者として準備されているのだ.
臨床現場が看護婦にとって「感情労働」の場だとしたら,そのような感情が生まれるやりとりはどのような構造でなされ,仕組まれているのか.感情ではなく,知的に理解する助けになるのが,『ゲームとしての社会戦略』という本である.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.