特集 —最新情報でわかる—褥瘡ケアの根拠
褥瘡リスクファクターを計測する—最新計測器と用語統一の問題
髙橋 誠
1
1北海道大学大学院工学研究科生体システム工学講座
pp.227-231
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903916
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はじめに
褥瘡を発生させる危険因子(RF:risk factor)にはさまざまなものがある,医学辞典1)で褥瘡の項を見ると,物理的圧迫のほかに,全身栄養状態の低下,軟部組織の萎縮,免疫力の低下,細菌・真菌感染,汗,糞尿の浸軟汚染などが褥瘡RFとしてあげられている.これらのRFのなかで医用工学的な立場から計測対象となるものは物理的圧迫である.このため,圧迫の程度を計測する目的からこれまでは体表面接触圧測定に焦点がおかれていた.
しかし,最近の褥瘡の物理的RFとしては圧迫という概念ばかりでなく,他の力学的要素も重要視されてきている2,3).それにしたがい,圧迫以外の計測器の開発がなされるようになり,これまでにいくつかセンサが提案されている.また,物理的RFの計測の実現に伴い,物理的RFに関する用語の不統一も顕著になってきた.ここでは,圧迫と他の物理的RFの関係,最新の物理的RFの計測器,およびそれらに関する用語について述べる.
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