特集 —最新情報でわかる—褥瘡ケアの根拠
黒色壊死組織に関する最新の知見とケアへの提言
森 將晏
1
1岡山県立大学保健福祉学部看護学科
pp.232-235
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903917
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はじめに
看護者は褥瘡の予防や処置に際し中心的な役割を担っており,褥瘡の危険因子をアセスメントし,褥瘡の予防に努めるとともに,すでに褥瘡を形成した患者に対して適切な看護を行なうための的確なアセスメントを求められている.褥瘡は体表面に存在するため肉眼で観察でき,アセスメントには厚生省の褥瘡の予防・治療ガイドライン(厚生省ガイドライン)などの深達度による分類や福井による色調による分類とともに,PUSH,PSSTなどが用いられている1,2).このたび,日本褥瘡学会においても創の評価と分類のために新しくDESIGN分類が発表されている3).
このような肉眼所見による分類は多くみられるが,その基礎となる褥瘡の病理組織学的検討は意外と少なく,肉眼所見との関係についての詳細な研究はみあたらない現状である.我々は褥瘡のより適切な処置や治療を行なうためには肉眼所見の基礎となる病理学的変化を明らかにすることが必要と考え,褥瘡にみられる種々の肉眼的所見および病歴や年齢などが,どのような組織学的変化と関係があるのかを検討し,発表してきた4,5).
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